グッドスピード

料理は冷たくしてのグッドスピードのレビュー・感想・評価

料理は冷たくして(1979年製作の映画)
3.5
"人間性の喪失"

常にナイフを持ち歩き「誰か殺してしまいそうだ」と言っている男、その男の妻を殺した男、ナイフ男の住むマンションに引っ越してきた警部、三人の男たちが織りなす現代社会の闇を皮肉ったブラックコメディ。

人間性の喪失がテーマと言うだけあり、登場人物全員に人間味がない。
誰か死んでも気にしないし、妻を殺した当事者と仲良くしたり、普通に一緒に過ごしていたり、もう我々のもつ倫理や道徳は一切ないので、いちいち突っ込んではいけないタイプの作品だ。
ただ、人の死に鈍感な癖に、自分は絶対死にたくない!という人間らしいところもあって皮肉が効いていて面白い。
観ていて感じたのは映画と言うよりもコントに近い。
シーンが変わる時の急な導入なんかもコントっぽいと思う。
とにかく人間性の薄い変なキャラ達の脈絡のない変な物語なので、気になる人だけオススメです。ストーリーはあってないような感じだけど最後のオチはちゃんと伏線あって面白かった。
自分はこういうぶっ飛んだ作品好き。