やっぱりカルカン

もののけ姫のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
3.5
もう24年も前の映画なんですね。
子供の頃、普段はそんな事しない父親が珍しくもののけ姫のビデオを買ってきました。調べたところVHSは1998年9月発売だったようで、当時は他に娯楽も無かったので何回も見たと記憶しています。

大人になってからもテレビで放送されていたら基本的に毎回見ているのですが、思い出深い作品なのにストーリーを今ひとつ覚えていないんです。
「ヤックルが健気」「コダマが森を案内してくれる」「アシタカが女衆と一緒にタタラを踏む」「シシ神様が水の上を歩いている」などシーンごとには覚えているのですが、ストーリーの流れとなるとう〜ん?どういう話だっけ?となる。子供にはちょっと難しいんですかね。

よく言えば何回見ても新しい発見があって飽きない映画なんですけど、見終わったあとスッキリはしないですね。
個人的な話ですが私は大人になってからも精神的には子供の時とあんまり変わらない気がします。つまりもののけ姫はずっと難解なわけです。まぁそれでも昔に比べたらだんだん分かってきたような気がするので60歳ぐらいになったら感動して号泣するのかもしれません。

もののけ姫には完全な悪役が出てこない。誰が一番悪い奴かというと決めるのは難しいし、突出して幸せな人もいない。ラストも完全に今までに持ち上がった問題が解決する訳ではなく、スーパーハッピーエンドという感じでもない。みんなちょっとずつ悲しみを背負っているんですよね。
子供の頃「アシタカはどっちの味方なんだろう」と思っていたけど、争って欲しくない。みんなを助けたいという主人公でそれを(失ったものもあったけど)成し遂げる点が斬新な映画だし、この作品は他のジブリ映画と比べても結構大人向けの作品だと思いますね。

人もたくさん死にますので、未見の皆さん特にお子さんは何も知らずにトトロや魔女宅のノリで見たらえらい事になりますよ(笑)
今回はTwitterを見ながら視聴したので、今まで知らなかった新情報を得ることが出来て楽しかったです。ジブリ公式と金ロー公式Twitterさんありがとうございました。

追記:バケモノの子のレビューにも栞の事を書いたんですが、カヤがアシタカにあげた小刀をサンにあげちゃうのはひどいと思いました。
考え方は人それぞれなので、気にならない人にとっては屁でもないことだと思いますが、私は贈った人の気持ちを考えたら有り得ないと思います。