みにゃ

心のカルテのみにゃのレビュー・感想・評価

心のカルテ(2017年製作の映画)
3.7
私もああいう病院に入院したからなんか懐かしかった。家族が集まるとなんかあんな感じだった。
すべてがそうとは言いきれないけど私も主人公も一番のメッセージは「私を見て」だったと思う。
病気も一種の表現みたいなもの。

普通の人は「あー結局かまってちゃんってことか」と思うかもしれないがそれはちょっと違う。
病気の時は身体と精神が離れ離れになっていて、身体が精神に、精神が身体に「私を見て」と言っている感じだった気がする。

キアヌ先生が言ってたとおり、ここまで落ちたら底の底まで落ちるしかない。底辺に辿り着いて初めて浮上できる場合がある。
そこで亡くなる人もいるけど主人公はギリギリのところで自分を発見して戻ってきた。
非常にマニアックだけど当事者あるあるで素晴らしい表現だと思う。

私は苦労して苦労して「もう本当にいい加減幸せになりたい」と心底思った時に自分の指が10本あることに気がついた。
あれがない、これがない、私にはないものだらけだ!!とずっと嘆いていたのに指がちゃんと10本あって「あるじゃん!!!」と驚愕したことを忘れられない。実は何もかも「ある」に気がついた瞬間だった。
"陰極まれば陽となる"とはまさにあのことだった。主人公も同じだと思う。
きっともう大丈夫。
大丈夫じゃなくても大丈夫。
みにゃ

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