変な映画だった。
南米からの鉄屑の輸入船から、鉄屑を海上で引き取る人夫を監督する石原裕次郎が、
その船内の末端労働者の反乱を一度は制圧するが、正義感に目覚め、彼らと団結する話。
1957年の作品で、朝鮮特需による鉄の不足のために、海外から調達していたのかなあと。
結局、制圧されつつも、その騒動で、船長他上官たちがクビになるという、
一応は労働者側の勝利になっているような、
でも裕次郎はリンチにあい、今後この場所では生きていいけないと思われるし、
なんとも半端な感じの着地点。
朝鮮戦争時に出来たギリギリの物語ラインだったのかなあと想像する。
逆に反共政策の中でよく作ったとも言える。
少なくとも石原裕次郎に影を落とすという新藤兼人なりの抵抗はあったのかもしれない。