このレビューはネタバレを含みます
家父長制度に翻弄され、愛する男のマチズモに揺曳され続けた女性
主人公よりも、産みの母親に心打たれた。
産みの母親は、ぞっこんの旦那との間に子供ができるも、ここぞとばかりに裏切られ、家族にも味方はいない。
育ての母親は妊娠出来ない体で、家庭を存続させる為、ある男に定期的に強姦される。
主人公の父親は、二人の女性の人生に暗い影をおとしたのだった。
主人公があの時、画廊に顔を出さなければ、産みの母親も、育ての母親も、自責の念と上手く付き合い続けられたかもしれない。
産みの母親も境界を越え、人格の崩壊を迎えることも無かったと思う。
映画を鑑賞して、ストーリーや演技、演出の好き嫌いが主眼にならず、キャラクターの人生に想いを馳せたのは久しぶりである。
女性と母親は丁重に扱いましょう。