めめめのめーさん

ケース39のめめめのめーさんのネタバレレビュー・内容・結末

ケース39(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「オーメン」や「エスター」を彷彿とさせる映画です。

パッケージ裏のあらすじをろくに見ずに借りたので、途中まで幸せに暮らすエミリーとリリーにリリーのお父さんが復讐しにくる話かと思ってました。
なのでリリーが本性を現し始めてびっくり…。リリー役の子、すごくうまいですね!表情が特にうまい。かわいいけど、心の底に不気味なモヤを残す顔してます。
1番えげつない死に方したエミリーの恋人と話すところなんて、リリーの表情とセリフの巧みさにぞぞ〜としてしまいました。

リリーの正体はおそらく強烈な幻覚を見せて相手を死に向かわせる悪魔だったわけですが、もし自分がターゲットだったらと思うと空恐ろしくなりました。きっと蛾がたくさん出てきます。それ見て死ぬなんて嫌です。

ラストでエミリーに自分の幻覚が通じなくて焦るところはちょっとかわいいけど、いままでの演技が不気味なのと存在が強すぎるのでそれすらフェイクなんじゃないかと疑ってしまいました。
結果は肩透かしなほど綺麗にハッピーエンドでしたが…。ちょっと意外。
エンドロールはじまってからもリリーの手が海中から出てくるんじゃないかとヒヤヒヤしてたのに。

すごく綺麗にまとまった良作だと思いますが、そこまでこれはすごい!とならなかったのは、先述の「オーメン」や「エスター」に比べるといまひとつパンチに欠けてたからだと思います。
エミリーが追い詰められていく過程でも、リリーちゃんが性急なのか悪魔的すぎるのか、わりと証拠を残して行動したり早くからエミリー以外の人にも本性を表すものなので、エミリーだけが正体をわかっていて完全孤立ともならず、リリーちゃんの正体にしても、恐ろしい場面はチラチラうつるのですが、後半になってもエミリーの恋人との会話以上に恐ろしいシーンがあるわけでもなく…。

ハッピーエンドなだけに見終わったあともスッキリしてしまって、後に残るものがあまりにも少なかったです。良い作品なだけに残念。

せっかく弱くて可愛くて守られるべきで純粋でっていうある意味最強の子供という立場の悪役なんだから、もっとハチャメチャしたらいいのにな〜って思いました。