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マルサの女のlingmudayanのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
3.0
マル査が山崎努の家でガサ入れを行う場面、津川雅彦が自分と山崎が話している間に山崎の視線に注目するよう宮本信子に指示する。すると山崎はそれまで顔を合わせて何らかの関係を築いてきたはずの宮本の目を見れなくなり、隠し金庫が裏に隠れている本棚の方を見やってしまう。この視線のアクションが面白い。

山崎が書類の処理に利用している女を乗り替えようとしてその女と喧嘩になるシーンは良かったが、宮本が山崎の息子が自殺すると勘違いして踏切に駆けていくシーンや、津川と銀行員が揉み合いになって階段から落下するシーンはカット割りが勢いを殺していたような気がした。

80年代の働く女性を描いているとはいえ、シングルマザーの宮本が実の息子と関わる場面が夜中に電話で話すシーンしかなく、一方で山崎の息子をずっと気に掛けるというのは異様な感じもする。
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