映画好きなリコ

男はつらいよ フーテンの寅の映画好きなリコのレビュー・感想・評価

4.2
ひどいババアdis映画でした。おいちゃんもだんだんおばちゃんに対してババア呼びがひどくなるのが本当にひどい(笑)
旅館のババアから真実を告げられる辺りがまた皮肉が利いている。

今作の寅さんは、シリーズを通して見ても、かなりキツイ失恋の仕方をしているのではないでしょうか…?
今作のマドンナは最初から寅さんの本心を知りながら良いように使ってたのでズルい性格だったと思いますし、宿場町の皆の笑い者になったまま、最後まで良いところがなかったです。
信夫くんの駆け落ちシーンですが、テキ屋の成れの果ての花沢徳衛と寅との会話のくだりは、涙なしには見られない今作のハイライトシーンでした。

宴会場で、おしづさんの名前を呼んで、客全員に笑われた時にふと見せた、寂しいような、気まずいような笑顔こそが寅さんの本質かと思います。この渥美清の繊細な演技力が無ければ、このシリーズは続かなかったに違いありません。
根なし草の寅さんと一般社会との断絶といおうか、他者の前で演じる態度の裏にあるピエロの孤独が見えて、ついつい泣いてしまいました。

あばよ!からの滑っちゃった…!は前田吟もよく笑わなかったなと(笑)
左卜全は存在感が如何にも番頭でハマり役だったと思いました。
だまってろババー!