空の落下地点

フィラデルフィア物語の空の落下地点のレビュー・感想・評価

フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)
3.3
女神でも女王でも彫刻でもなく、人間として結婚する。「死んでるの」・・・死人として人を愛することは出来ないのだろう。崇拝や偶像視も、人間扱いされないという意味では尊厳の略奪だ。

ウーマンリブという阿修羅から人間に戻ろう、という映画だと勝手に解釈。
「弱さと思いやり」は、人を人の上にも下にも置かない。ウーマンリブで強い女を装わなくてもいい、ありのままでただ生きてるだけで尊厳がある=強い。フワフワしてようが可愛かろうが小さかろうが、強いものは強い。人が皆、弱いことを認められるのが強さであると。

人の役に立ちたい彼女が、どうか象牙の塔に閉じ込められませんように。
処女性の象徴である月に向かって遠吠えする「犬」は従う者ではなく、反発する者。これはフェミ映画だと思う(女は女から奪わないし、レイプもない)。
馬が何度も出てくるのはチェス。チェスではクイーンが最強のコマだが、独裁者ではなく王様を守る為にその強さを使う。最強のコマのその戦力も、きっと分け合えるもののはず。
空の落下地点

空の落下地点