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愛人契約のmanacのレビュー・感想・評価

愛人契約(2008年製作の映画)
1.0
ウィル・スミス製作総指揮、その妻ジェイダ監督・脚本ってことでちょっと気になって視聴。

仕事はできるがキレやすく暴力的なジュリアンは謎の美女マイケルと出会いぞっこんラブ。
マイケルは既婚者であったが、浮気は夫公認でオープンな幸せな夫婦だと自称している。

話が分からなさ過ぎてあらすじもまともに言えないんだけど、まぁ物語の始まりはこんな感じ。
とにかくマイケルが破天荒。腕が自傷行為の傷跡だらけになるような女で大分価値観が世間とずれている。
車の中でジュリアンに目隠しをして、他の女と入れ替わり情事をさせそれを撮影する。それがジュリアンにバレて怒られても、マイケルにはジュリアンが怒っている意味が全く理解できない。
自分が夫とのディナーの際にジュリアンから電話がかかってきても決してジュリアンの元へは行かない。それは分かるのだが、その際にジュリアンが他の女性と過ごしているとキレる。

ラストも何がどーなってそうなったんだか全く分からない。何を訴えたいのか分からない。
ジュリアンは一応何か一歩前進しているようにも見えるが、マイケルは恐らくジュリアンと出会う前と何も変わっていないのだろう。


余りに分からなさ過ぎて思わずジェイダ・ピンケット・スミスをググってみた。
彼女が自身のFacebookに浮気について語っていた記事があった。
全く何を言っているのか分からないのだが、要約するとこんな感じらしい。

・浮気は悪いことではない。
・浮気をしている人は精神的問題を抱えている
・浮気をしている人は浮気をされた人と同じくらい傷ついている
・浮気をすることにより愛は真実となる
・浮気をすることにより夫婦としてだけではなく人間としてもより高尚になれる

これだけでもあまり納得がいかないのだが、更に混乱させるのが彼女がある番組に出演した際に自分は決して浮気はしないと公言していたことだ。
いや、なんかもう言っていることめちゃくちゃじゃん。100歩譲って浮気することが真実の愛を生み出し人間としても成長できるのなら、浮気するべきじゃん。
夫婦の真実の愛なんて必要ないし、人間としても高尚になる必要もないから浮気はしませんって事?

夫婦や恋人が互いの関係構築にあたり何らかのトラブルを乗り越えることで互いの関係が深まることは確かにあると思う。中にはそのトラブルが浮気問題であるカップルもいるだろう。
しかしそれが浮気である必要はないし、浮気はしないに越したことはないだろう。結果的に浮気問題が関係を好転させることがあったとしても、浮気は善という概念が前提条件である必要はない。

そもそものスミス夫人の倫理観に共感できるところが一つもないので、そんな人の作った映画が理解できるはずもない。
むしろ私はこの映画もスミス夫人も理解できる人間になりたくない。


音楽はウィル選曲なのか、クールなヒップホップがたくさん使われていたけれど、物語には全く合っていなかった。
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