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歌声にのった少年のxavierのレビュー・感想・評価

歌声にのった少年(2015年製作の映画)
4.5
姉さん、聴こえる?世界を変える僕の歌声が…
紛争地パレスチナ・ガザ地区で生活しスター歌手になり世界を変えたいと夢見る少年ムハンマドば姉ヌールや友人たちとバンドを結成し、街中で歌声を披露していた。
弟の才能を信じるヌールは"カイロのオペラハウスに出る"という目標を掲げる。結婚パーティーなどで歌うムハンマドの美しい歌声は人々を次々と虜にしていった。しかし、そんな矢先ヌールが病気でこの世を去ってしまう…
ストーリーはこんな感じ。
実話を基に作られた作品
舞台はパレスチナ・ガザ地区。
今、連日イスラエルVSハマスとの対立がニュースで報道されている。
そんな中なので、再鑑賞することに。

作品の前半はムハンマドの子供時代が描かれる。ここに出てくる子どもたちは、ホントにガザ地区に住んでいる子どもたちだそうだ。貧しい環境の中でも子どもたちは何気に楽しそう。戦闘や紛争など無いかのように…
ムハンマドもそんな子どもたちの1人
夢のために色んな事で金を稼ぎ、音楽教師カマールに指導を受けていた。
しかし、そんな中ヌールが亡くなってしまう。そして死ぬ間際ムハンマドがヌールに「世界を変える様なスターになる」と約束をする…


中盤からは青年へとなったムハンマドが描かれる。戦闘や爆撃により街は破壊され、仕事も限定的なものしか無く生きるために必死で夢を追うことを忘れてしまうムハンマド。しかし姉との約束とカマール先生の「夢など虚しいと思うな!最後に残るのは夢だ!」という言葉に励まされ夢を追う…

中盤から後半に掛けては心を揺さぶられる事が多かったなぁ。
障壁や検問所が至る所にあるガザから他国へ行くことは至難の業。捕まれば
刑務所送りどころか死の危険まであるそして彼も、そんな場面に遭遇するのだが、人々の思いやりによって不可能だった大会への出場が叶うことになる
ここら辺のシーンは、事あるごとに涙だったなぁ…
そしてラストには大会の実際の映像が流れるんだけど、そこに映る人々の笑顔、笑顔には涙が止まらなかった。

この作品の監督は他者への思いやりや誠実さを描きたかったらしいが、それは充分に伝わる作品だとは思ったなぁ
そして今現在、爆撃で多くの子どもたちが亡くなっている。早く鎮静化してまた子どもたちの笑顔溢れる姿が見れる事を祈りたいなぁ…
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