塩野ダイ

ジョン・カーペンターの 要塞警察の塩野ダイのレビュー・感想・評価

3.6
元々『パージ』シリーズの監督ジェームズ・デモナコが脚本を務めたイーサン・ホーク主演のリメイク作『アサルト13 要塞警察』が好きなんだけど、このタイミングでジョン・カーペンター監督作のオリジナル版を鑑賞。

てか、オリジナルとリメイクでだいぶ違うんだなぁ。リメイクの方がより要素を簡略化してシンプルな作り。
で、わりと早めに警察署内に籠城し武装集団とのドンパチ合戦に入るんだけど、こっちの方が攻防に至るまでの展開を丹念に描いた事で、籠城するまでの流れが自然だし、相手のヤバさも先に見せる事が出来てスムーズだなと。

何か不吉な事を予感させる劇伴や、キャラ立ち、夜のせいで顔の見えない武装集団の只ならぬ気味の悪さとか、オリジナル版の方が良いなとは思う点もあるんだけど、
その武装集団に襲われる動機が、夜中に仲間を殺した警察への復讐なのか、署内に逃げ込んで来たオヤジに殺された仲間の復讐なのかどっち付かず(どっちも兼ねちゃってる?)なのがちょっとノイズになってモヤっとしたまま決着が着いてしまった。あと終盤のちょいダレも減点。

なんか今観るとリメイク版より本作の方が『パージ』っぽかったな。でもこれが1976年に作られた作品って考えると凄いわ。
塩野ダイ

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