spacegomi

たぶん悪魔がのspacegomiのレビュー・感想・評価

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)
4.6
ブレッソン⑦

いかにもブレッソンが好みそうな美貌とドストエフスキーの諸作品に出てきそうな厭世観を持ち合わせた青年が、如何にして悲惨な最期を遂げたのかが彼自身やその周りを通してミニマルに描かれる。
環境問題や宗教論争にエンゲージメントしてみるものの、明晰すぎるが故に虚無や諦念が浮かび上がるばかり。
ブレッソンの暴力性やドライさは呆気なさすぎる最期の絶望を一際強調していて、その真髄を見た気がする。凄すぎる。

バスの一連のシークエンスはもはやホラーの域。降りる人々の体全身が映されることはない。
spacegomi

spacegomi