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風の中の牝鷄のmaiのレビュー・感想・評価

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)
3.7
階段落ちが痛々しくって…というか、なんとなく階段落ちの雰囲気は漂ってるからこそヒヤヒヤしながらラストの方見てて、しかもかなり派手に落ちるから、映画の印象が階段落ちになっちゃいました。笑

苦しい生活を描いた作品で、奥さん側の視点で始まるので奥さんに肩入れしながら鑑賞。
小津安二郎監督の何気ない会話の面白さ・妙は健在なんですけど、あくの強いキャラクターでさえも憎めないんだよね〜という人間性の妙みたいなものは少し微妙だったかなぁと思いました。
なにより奥さんが不憫だし、旦那さんはちょっと頑固すぎない?と。あの時代ならば、もしかしたら旦那さんは優しい方なのかもしれないけれど…結局のところは許してくれたわけですし。
でもあの責め立てるような言い方は本当にしんどいし、それに文句も言わずに「私が悪いのよ」な奥さんも切なくなります。
クスッと笑えるシーンも少なくって、周りの人も何だか薄い壁を感じるような印象で。親身な人もいるけど。

でも生活が苦しい時って本当にこういう感じなのかもしれないなぁと思いました。

田中絹代の哀愁?の漂う感じの美しさがなんとも言えないくらい魅惑的でした。
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