不可抗力とはいえ、自らの振る舞いによって妻を階段から突き落としてしまったのに駆け寄ることもせず、階段の上から「大丈夫かー」と聞くだけでいつのまにか部屋に引き戻ってしまう旦那はなんなんだ。
小津作品に…
いろいろと深読みできそうな作品である。
素直に観れば、生活と愛情とのバランスに苦悩する夫の話。
でも、売春という現代の多くの家庭からすれば非現実的な設定であることを差し引いても、男女の考え方が今とか…
息子の病気の治すため体を打ってしまった献身的な妻と、妻の売春を許せない夫。
他の小津作品に見られるギャグやユーモアはほとんど出てこない。むしろ、溝口や成瀬が選びそうな内容の話だ。しかし溝口のように…
終戦後、夫の復員を待ちながらも子の入院費用を工面するため売春に手を染める妻と、妻の行為を知り苦悩する夫の姿を描く。
妻が鏡に映る自身の姿を見て売春に心が揺れてしまう描写や、事後の部屋の様子のみによ…
戦後まもなくの作品なので、映画の作成本数も少なく、作品もイマイチかなぁ?
まぁ、上映時間83分と短い作品では情感なども湧きにくいのでしょうが・・・。
それでも、この年のキネマ旬報では7位に入ってます…
戦後すぐに小津が発表した『父ありき』が当局の検閲を受け、大幅なカットを余儀なくされた事実によって邦画界に激震が走った。その後映画会社がこぞって民主主義啓蒙作品の製作にとりかかったという。そんな時代の…
>>続きを読む小津の作品レベルは、本作を境にして、大きく変わる。本作は良い出来ではないが、次作からは小津、野田、厚田(宗方姉妹」「浮草」「小早川家の秋」は違うが)の鉄壁トリオで傑作揃いとなる。「牝鶏」は、その意味…
>>続きを読む松竹株式会社