経年変化

偽りの果ての経年変化のレビュー・感想・評価

偽りの果て(1947年製作の映画)
4.4
『恐怖の逢びき』を思わせる対二輪車事故隠蔽ノワールと思いきや、これが第二第三の殺人へと数珠繋ぎに。医師≒善人という大衆意識を逆手にとった大胆さや、“物の紛失”が展開を加速させる作劇が楽しい。
仕事では窓際へと追いやられ妻には男として見られない焦燥感・屈辱感への反動が歪んだ行動へと駆り立てていく中で、最終的に殺人を告白したらしたで信じてもらえなかったり遺書も燃えたりで相変わらず散々な目に遭う滑稽さに戦慄。
顔面・身体のビジュアルだけで画面にテンションをかけられる稀有な存在のミシェル・シモン、猫を抱いてる画ヅラが異様すぎてかなりヤバい