青眼の白龍

ペーパーハウス/霊少女の青眼の白龍のレビュー・感想・評価

ペーパーハウス/霊少女(1988年製作の映画)
3.9
「大人と子供」の対立を「現実と夢」の構図に反映させる作品は多いが、この映画を単なる二項対立的ファンタジーとして片付けてしまうのは少々勿体無い気がする。大人(現実)が子供に影響を与え、子供が周囲の現実から夢を創造する。そして夢が現実と相互作用的に存在している。こうした三位一体的な世界の在り方は、観客の安易な理解――肯定と否定の二極化を拒絶する。バーナード・ローズは『キャンディマン』における“伝承”と同様に、アンナの夢を解体してみせる。それは現実から隔離したものではなく、我々の世界の裏の一面であるかのようだ。

(鑑賞メーターより転載)