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FLYING FORTRESS フライング・フォートレスのmhのレビュー・感想・評価

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イギリスを本拠地にしてドイツを爆撃していたアメリカ陸軍第八航空軍のF17メンフィス・ベルを題材にした映画があの爆撃機映画の名作「メンフィス・ベル」ならこちらは、アフリカ・チュニジアを本拠地にしてイタリアを爆撃していたアメリカ陸軍第十二航空軍F17ラッキー・ラスを題材にした映画。
爆撃機ものは第八航空軍を舞台にしたものばっかりなので、そんな意味でも貴重。
砂漠にF17ってだけでもう大満足。
冒頭のスライドの日本語字幕が微妙にわかりにくい。あれは「規定回数(25回)出撃すれば帰国できるんだけど、それを無事成し遂げられるのは十人の乗組員のうちふたり(=そのくらい損耗が激しい)」という意味。
つまり、ミスや整備不良で戻ってきちゃうと出撃したうちに入らないので、帰国が先延ばしになるからクルーは怒ってるというわけ。このあたりのニュアンスが拾えてない日本語字幕だった。
「メンフィス・ベル」はたった一回の出撃という尖った設定だったけど、こちらはオーソドックスに長期間。新任の副機長がクルーたちの信頼を勝ち取るまでを丁寧に描いていた。
残念なことに低予算なので、CGはチープだし魅力的な俳優も少ないんだけど、それでも尻上がりに面白くなってくる。
第八航空軍を舞台にした映画は、胴体着陸のくだりが規定演技みたいになってる。この映画ではそれを逆手に取ったシークエンスもある。
滑走路が短く、車輪が使えないとわかると「胴体着陸きたー!」ってなものだけど、そうじゃなかったのはうまいツイスト。
「頭上の敵機」とか「戦う翼」とか爆撃機ものの定番をこなしてからだったら十分楽しめると思った。いきなりこれはちょっと厳しそうだけどね。
面白かった!
mh

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