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月曜日に乾杯!のhrdのレビュー・感想・評価

月曜日に乾杯!(2002年製作の映画)
3.6
 ストーリーというストーリーはないですが、フランスの田舎の家庭で生活する一家の大黒柱なはずなのに扱いが雑なヴァンサンが死にかけの父親から色々な国のお金を渡され旅行に出るというもの。2時間の映画で、1時間は田舎での平和な生活が描かれ、40分くらいはヴァンサンのヴェニスでの旅、残りは田舎へ戻り元の生活に戻るという構成。オタール・イオセリアーニ監督の皆さま、ごきげんようが印象に残っているので鑑賞してみた。
 一人一人のキャラクターが印象的で、記憶に残る行動が多い。ヴァンサンは何故車に乗り込むと靴を綺麗に揃えて車外に脱ぐのか、気になる。父親の知り合いである貴族の来客時の行動は見ものでとても見栄張り、客が帰った後の痴話喧嘩は面白い。人の手紙を盗み読む郵便配達や、女装したおっさんなど記憶に残る。彼とヴァンサンの関係が割と好き。
 財布を盗まれたことを暫く気付かないところや、気づいてもそこまで慌てないで、むしろ掏摸に対して今日は一問無しだって開き直れる精神が穏やかで良かったな。妻の静かに夫の帰宅を喜ぶ姿勢や、翌朝車を洗車して夫を送り出すのが印象的。田舎での生活はただただ平和で、長男と彼女がハンググライダー的なものを自作して飛ぶのは凄く楽しそう。
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