爆裂BOX

グリム/コングの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

グリム/コング(1996年製作の映画)
3.1
ヴァージニア州ウッドランド・ミルズの住宅地帯では地盤沈下による住宅の倒壊や男女の失踪が相次いでいた。地盤沈下の原因が洞窟にあるのではないかと考えた鉱山技師のロブと住民代表のペニーは数名と共に洞窟に入るが…というストーリー。
洞窟に封印されていた超自然の力を操り、神出鬼没の怪物の恐怖を描いたモンスターパニック映画。DVDのジャケがインパクト抜群ですが、VHS時は「コング」のタイトルでした。
石化した魔物の上でこっくりさんをやったグループのせいで魔物が解き放たれ、住宅街で人襲ったり、地盤沈下の原因を探るため住処の洞窟に入った主人公グループに襲い掛かるという内容です。
主役である怪物はゴリラのような風貌でずんぐりした体格をしており、そのぬめぬめした皮膚の質感など非常に秀逸だと思います。床下突き破って現れたり、岩壁突き破ったりと見た目に違わず豪快な現れ方をする一方で、壁抜け能力を使って主人公達に気づかれない様にメンバー攫ったり、獲物を閉じ込める丈夫な木の檻や首輪や足枷自作したり、肉切り包丁でトントン人肉料理作ったりと意外と知能が高くて几帳面な性格なのが魅力あります。割と序盤から姿見せてくれます。人間を洗脳する能力もありますが、洗脳された人間の目が赤く光る特殊効果は稚拙で失笑してしまいます。このチープさとか画面の質感とか90年代というより80年代な感じ出してますね。
序盤こそ住宅地で人が襲われるシーンありますが、主人公グループが洞窟に入ってからは洞窟内で物語が進行していきます。洞窟内を脱出路を目指して彷徨う主人公達が怪物に一人づつ襲われていくという展開で間延びする個所もありますが、そこまで退屈はしなかったかな。
ツルハシ顎の下に叩きこんで串刺しにしたり、顔面叩き潰したり料理された生首ぶら下がってたりとゴア描写もありますが、もっと多くても良かったのにな。
魔法陣の中にいる人間には触れられないという設定は面白いだけにもっとうまく活かしても良かったのでは。交霊術で怪物を呼び覚ました元凶であるスティーヴがドラをガンガン鳴らす所はちょっと笑ってしまいました。しかも肝心の怪物は料理に夢中で聞いてないし(笑)スティーヴが「これが目的だ」と言ってた円盤には特に意味なかったですね。怪物も目もくれなかったし。
怪物に太陽光当てて石にした時に捕まれてた人まで石になる所はちょっとビックリしましたね。助かるかと思ってただけに。まあ、降霊術に参加してた元凶の一人ともいえる人だったけど。
主人公達生還して家に帰るけど、怪物に攫われて監禁されてた美女をすっかり忘れてて見殺しにするラストは後味悪すぎてもっとビックリしました。ヒロイン思い出して後悔してたけど、主人公「忘れるんだ」言ってたけど、いや、怪物封印したし助けに戻ってやれよ(笑)あの人は洗脳解けて正気に戻って繋がれたまま悲鳴上げながら絶望の中で死んでいくのか…悲惨すぎる。
B級ホラーとしてはまあまあ見れましたね。怪物の造形と悲惨すぎるラストは割と好きです。