あこねこ

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)のあこねこのレビュー・感想・評価

4.0
2回目。あさま山荘事件よりもヤバイ、あさま山荘までの過程である山岳ベース事件。この事件は私が実際の事件を映画化した作品を観るようになったきっかけ。

「光の雨」という小説を読んでこの事件を知って色々調べて映像作品も探したけど、その時はここまで連合赤軍の内側を描いた作品はなかった。「光の雨」も映像化されているけどかなり回りくどく、「突撃せよ!あさま山荘」も警察側からの視点だったし、あの時の私はこういうの探してたんだなぁという内容。

にしても、連合赤軍結成前からから時代背景と共に説明映像を順を追ってながしてるから本当に興味ないとキツイ。事件の始まり、最初の殺人らへんも経緯を知ってないと意味がわからない。さらに何かと難しい言葉を並べて革命ごっこをする若者達の宗教的な気持ち悪さもあって、事件に興味ない人にはオススメできない。

思想には全く共感できないけど、人間の集団心理について興味深く見ることができる。
些細な事(化粧してた、イチャついてた、銭湯に行った)で自己批判ネタを粗探しして、死に追いやるまでリンチする様は、側からみたら自分がターゲットにならないための逃げであるようにしか見えないけど、あの中にいたら自分も同じ事をしてるかもしれない。言わんでいい事まで言ってしまうかもしれない。人間が極限まで追い詰められたらこういう行動に出るかもと思わせる。
特に永田洋子の見た目コンプレックス(?)による美人とか妊婦とかカップルとかをターゲットにして同性を追い詰める様子はかなり見所。

たしかに心理的にはロードオブカオスにも通じるところあるな。

有名俳優も出てるけど、そうでない人達が結構メインにいてそれもリアルだった。
3時間もあるこの作品は娯楽作品ではなく、あの時代を生きた人達が未来に残すために作った記録映画だと思う。
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