実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)の作品情報・感想・評価・動画配信

「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」に投稿された感想・評価

テロと革命なんて大差ない。ほんの50年前の自分と同年代だったのかと、時間の感覚が狂わされる
前半は60年代の通史としていい教材(?)だと思う 映像だと、Wikipediaで読むよりも滑稽に見えた もうこの頃には左翼はインテリでもなんでもなくて、「革命」も「論理」も言葉が抽象的で宙に浮いてしまっている それは歴史や思想から離れたからではないかと思った いやむしろ歴史や思想にべったりだったか どちらにせよ、ちゃんとテキストを読めてないのでは この顛末は日本人の心性によるのもあるのだろうか あと左翼の悪いところ、定義や理屈をきちっと決めすぎて内部でモメる、殴る、殺すっていうのは昨今のネットの、失言→炎上→追放に近い われわれは何も学んでいない 彼らはFラン人民だし、これを見てこわいとか言うのもまたFラン人民なのでは
おりく

おりくの感想・評価

4.0
ずっと観たくてようやく観賞できたけど、しばらくしんどい気持ちを引きずってしまった、、
当時の世間の温度感はわからないけど、彼らと年齢が近いからこそ感じる無力感・焦り、無知さ故の不安と、だからこそ直感的に感じる確信の葛藤。

純粋に国や社会をよくしたい、という志のもとに起こった出来事ということがしんどい。
だからこそ、違和感を唱えることにハードルがあがってしまった。
みんな、社会の幸せを願っていたんだ。だけど、どこかで変な方向に行ってしまった。

「お前はなにもわかっとらん!」と森や永山が何か発言するたびに不快感が止まらなかったけど、それは私がスクリーンを隔てて対峙していたから。実際のあの場にいて、極限状態だったら同じような精神状態になっていたと思う。。。それは誰も責められない。
もしかすると、心の違和感を見つけたときにはすでに遅かったのかもしれない。
その気持ちがわかるらこそしんどい。

やっぱりひとつの考えだけとか、個を消した集団はよくない。
集団心理は価値判断を理念とか自分の外に委ねる。
共通した理念を持って個を消して効率化することで成し遂げられることもあるだろうが、それは長い歴史と時間という概念が存在する社会では必要ない。人間社会や文化に効率は必要ない。
個々がそれぞれの尺度で図ることを繰り返せば良い。だって、ひとりひとりの人生・生活、生きていることが全てだから。
西洋哲学のように一つの心理に近づくのではなく、東洋哲学のように解釈を広げる方が遠回りでも発展的な社会を築けるのではないだろうか。
重信房子はあと二日で刑期を終えて出所する。獄中でこの映画の完成版を観る機会を与えられたのかどうかはよくわからない。しかし彼女が往年の同志である若松孝二による運動の「総括」をどう受け止めたのかが、わたしがエンドロールを眺めながらまず一番に気になったことだった。
 総括せよ。自己批判せよ。共産主義化せよ。革命戦士たれ。連合赤軍の活動家は同志たちに向かって、そのような言葉を何度も何度も浴びせかける。しかし誰ひとりとしてこれらの言葉が意味するものを理解していない。若松孝二がほとんど茶化すように繰り返し役者たちに言わせたとおり、ここではこうした空疎な概念だけが先鋭化し、やがて悲惨きわまりない暴力につながっていく。ここで問われるべきは、いったい内ゲバの犠牲者たちはなんのために死ななければならなかったのか、ということに限られる。死者のうちには直接の知り合いだった者たちも数多くいたことだろう。若松はこの映画をつうじて、非業な死を遂げた彼ら彼女らの喪に服す作業を行なっている。テロップで活動家たちの実名がその命日とともに次々に記される一連のシークエンスは、わたしは本当につらくてつらくて仕方がなかった。
 あさま山荘に立てこもる彼らの銃口が向けられる先は一向に映されない。そもそも敵はどこにいたのか。なにと闘っていたのか。なんのために生命を賭していたのか。またしても彼らの実存があまりにわたし(たち)のそれと遠くへだたっていると痛感するいっぽうで、あの概念の空転に異様なまでのリアリティが備わっていたことがただただおそろしかった。獄中で「総括」としての自死を選んだ森恒夫が書き残した言葉でさえも空虚に聞こえてならない。あれから半世紀、成田空港は国際便を飛ばしつづけ、返還された沖縄には広大な米軍基地が存在し、いまや極左でさえも安保を安易に否定する者はいない(ウクライナ侵攻でますます安保は強固なものとなった)。じゃあ、本当になんのために彼らは死ななければいけなかったのか。本当に。
絶対寝るだろうなーと思ったら全然飽きさせないし最後までドキドキした。
坂口役のARATAが素晴らしい。ああいう奴が正義や大義語って平然と人を殺してきたんだろうなーという典型。
あさま山荘事件といえば鉄球による強行突入が印象的だが、よほど予算が無かったのかバッチリ省かれていました。
重信房子の役者さんが本人とそっくりすぎ。
百万両

百万両の感想・評価

3.8
究極のオフライン環境、取り返しのつかない若気の至り
赤裸々に描かれてる。
一

一の感想・評価

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3時間という長尺も気にならないくらい面白いし、絶対に若松孝二にしか撮れない映画を若松孝二その人が撮ったことに感銘を受けてしまう。新左翼運動を学生運動から順序立てて浚っていく序盤こそあからさまに金のかかってない全体的なルックが衣装中心に気にかかるが、山岳ベース事件とあさま山荘事件を丹念に扱った中盤以降、若松映画の真骨頂である閉鎖的な密室が現れると、そんなことは何も気にならない。“総括”という言葉を一生分聞いたのではないかという森恒夫と永田洋子が主導する12人連続リンチ殺人が極めて陰惨でありながら半ば滑稽(実際、劇場ではたびたび失笑が漏れていたのである)にも描かれる(軍国主義下の理不尽な下等兵イジメをイヤでも想起させられる)のとは対照的に、山荘に立てこもり遂に実際の権力と銃火を交えた5人に対する若松の視線には失われた未来への喪が、決して全てが間違っていたわけではないのだという意地が、含まれているように思える。坂井真紀が演じた遠山美枝子は、若松と足立正生による悪名高いアジテーション映画『赤軍 PFLP 世界戦争宣言』(重信房子本人が出演している)の赤バス上映運動にも関わっていたらしく、だからこそ若松自身無関係ではない彼女を含む12名の被害者に対する弔いの比重も大きい。にしても永田を演じた並木愛枝は素晴らしかった。というわけで日本の戦後左翼への興味が更に高まってしまった。ところでジム・オルークさんは若松作品がとにかく大好きで、この映画のために日本語を勉強したらしいです。ラストのBill Fayカバー◎。
もはやブラックコメディだよこりゃ……。

事実だから笑うに笑えないんだけど、結構色んなシーンで笑ってしまった。あまりにバカで。くだらなくて。馬鹿馬鹿しくて。悲劇的であればあるほど喜劇に見える。

坂井真紀演じる遠山が、弾の節約の為に口で「バン!」と言う射撃練習を見ながらニヤニヤ笑っちゃってる顔。アレ。あの感覚が無くなったらヤバい。自分たちのしていることを俯瞰して見て変なことを変だとちゃんと思える感覚。アレが正気というものだ。

あくまでこの映画の中ではだけど、遠山さんが一番勇気があったよ。あんな状況でもドラム缶風呂に入って気持ち良さそうな顔ができること、お洒落に気が配れること。一番人間らしくあり続けられた勇気ある人だという風に見えた。

あさま山荘でARATA演じる坂口が「私たちの目的はつまり世界から戦争や不平等を失くすことです」みたいなことを真っ直ぐな目で言うけど、自分たちのやってきたことがまさに戦争や不平等そのものじゃないか、そのことに全く気づいてないのか、と皮肉に響く。片腹痛ぇわ!誰がどの面下げて言ってんだ!ちゃんちゃらおかしいぜ!いちいち心の中でツッコまずにはいられない。

本当に人間の脳の自己正当化プログラムって怖い。『ONODA』でも思ったけど。ある種の生存本能なんだろう。行くとこまで行っちゃってから間違ってたことを認めようとすると壊れちゃうから。

案外と言ったら何だけど知ってる俳優が沢山出ていた。誰が出てるのかよく知らずに観たから。坂井さん、井浦さんの他、大西信満、岡部尚、渋川清彦、奥貫薫、佐野史郎。坂口拓はもはや「どうせロクでもない人なんじゃないの」という余計なバイアスがかかって見える。

しかし森恒夫役の地曵豪さんと永田洋子役の並木さん。素晴らしい憎まれ役。最低で最高だった。
地曵さん、『リップヴァンウィンクルの花嫁』と『許された子どもたち』でなんだこのどことなく腹立つ人は、と注目していたけどもっと先にその極北みたいな役をやってたんだ。こういうイライラする役やったら右に出る者いないんじゃないか。天才。
そして並木さんは出てること忘れてて、観終わった後改めてキャストを確認してようやく気づいた。それぐらい名演だった。

他人事と思えたら笑えるけど自分事と思ったら笑えない。自分だって同じ状況にいたら何ができたか分かったもんじゃない。胸張って自分はこうならないと言い切ることなんてできない。彼らも自分と何ら変わらないただの弱い人間だったってだけだ。彼らが何か特別だったんじゃなくて人間が皆そもそも愚かなんだと考えるべき。そうやってまさに”客体化”して見せてくれるのが良い映画。

難しい言葉ばっか使いやがって。漢字やめろ。ぜんぶひらがなではなせ。つくづく、難しいことを難しく言うのは簡単、難しいことを簡単に言うのは難しい、本当に頭の良い人はこれができる、よね。

190分、全く長く感じなかった。映画にはそれぞれに適切な尺がある。単純に数字で長い短いじゃないんだなと改めて。

【一番好きなシーン】
「目が可愛いってどういうことだ!」は笑っちゃうよ。その他多数。
Wu

Wuの感想・評価

3.6
3時間あるが、当時どういう主張で,どういう事件があったのか知らなかったので、理解するためにはちょうどいい。
初めは再現ドラマ風だったのに、いつのまにかかっこいい映画に変わって行ってた。
Gocta

Goctaの感想・評価

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学園闘争から連合赤軍の残党があさま山荘に籠城、検挙されるまでを、連合赤軍側から描いた力作。映画全体を通して迫力満点で、目を背けたくなるようなシーンも多いが、籠城まで突っ走っていった若者たちを見事に描写している。

同士に総括を迫るのが次第にエスカレートしていくのが恐ろしく、専制国の恐怖政治、あるいはISをも想起させる。上手くことが運ばず、だんだん追い詰められて行く中で、革命という大義よりも、本来はそのための手段であるはずの規律が最重要視されるのは、戦争が狂気に走らせる「地獄の黙示録」のよう。

また、警察に包囲され仲間が減っていく中で続ける逃避行は、チェ・ゲバラがボリビアで捕まる姿と重なり合う。
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