柏エシディシ

突然の訪問者の柏エシディシのレビュー・感想・評価

突然の訪問者(1972年製作の映画)
3.0
片田舎でひっそりと暮らす帰還兵ビル(ジェームズ・ウッズ)の家に、突然ベトナム時代の同僚ふたりが訪ねてくる。
旧友の来訪に戸惑いを隠せないビルの様子に内縁の妻は不審に思うのだが、彼らには悲しい因縁があったのだ…
エリア・カザン、晩年の作品。
これがカザン?となる低予算、小規模。
文字通り自主製作の域の作品。
それもこれも"赤狩り"で同胞を告発した為、ハリウッドに居場所がなくなってしまったカザンが、非組合員のキャストスタッフで撮る事しかできなくなった為。
映画の物語自体もカザンのそんな陰鬱な想いや葛藤が重ねられている。
デパルマの「カジュアリティーズ」の後日譚の様相。あちらではマイケルJフォックスとショーンペンの善悪がくっきり分かれるが、本作の方が両者の内面の悔恨が複雑に描かれており、その分、結末はより陰惨。
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