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虐殺の週末のkakakaのレビュー・感想・評価

虐殺の週末(1979年製作の映画)
4.3
いかした邦題からも想起されるゴア描写を期待してたら、肩透かし、とだけ論じるには勿体無い、味わい深さのあるスラッシャー・ムービー。
リマスターされていないので画は荒いが、作品もともとがソフトフォーカス気味の撮影なので、特に日中、森や草原の緑に陽光がにじむ様は幻想的だ。
ヒロインが前夫の支配から抜けきらず、貴方に抱かれても、他人の夢を見る状態なので、この精神状態が映画の幻想的なルックと相まって、一種白昼夢的な味わいのある作品に昇華している。
オープニングのイメージがラストで見事に反転する様も見事。
あと、妙に衣装やスタイリングのセンスも良い。怪しさ満点のオーティス君のスケーターファッションも凄く今っぽいし、惨劇の晩のドレスアップファッションで踊るミドルテンポのタンゴも、どこかデカダンスで、これから起こる惨劇へのカウントダウンとして、とても気の利いた演出だった。
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