プリンローヤル

苦役列車のプリンローヤルのレビュー・感想・評価

苦役列車(2012年製作の映画)
3.5
原作者の西村賢太が亡くなっていたことを、映画を見た後に知った。
SHINCO(スチャダラパー)が担当しているちょっと間の抜けた音樂と予告編からは、昭和の終わりのジリ貧青春ストーリーのように見えるが、内容はWikipediaで知る西村賢太の生涯やエピソードのとおり暗鬱。

「中卒」「父親が性犯罪者」という引け目もあり、卑屈で不誠実で猥雑で屁理屈。だから孤独。だからずっと生きづらさのループ。

森山未來が凄い。すえた臭いや、手垢の感じが伝わり「うっわ、もう、こっち来んな」と言いたくなるヤヴァイ奴。絶対関わりたくない。

唯一の友達が高良健吾、マドンナが前田敦子。前田敦子は悪くないんだけど、原作にはないキャラクターだそう。このせいで、何かが薄まってる、というべきか、救われるというべきか。