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エイリアン2 完全版のTPのレビュー・感想・評価

エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)
4.3
★1988年に続き2回目の鑑賞★

 1作目はアクションシーンは極めて少なくホラーに分類される作品だったが、監督がキャメロンになったこともあって娯楽アクションに変貌した。
 しかし、前作とのつながりを大事にしたストーリーであるため、その内容自体に違和感がなく、エイリアンの特異な動きや境遇的に不自然な色恋沙汰なども皆無のアクションに徹した姿勢から、その類の映画として傑作に仕上がっている。

 子供を出汁にして感情を盛り上げるという演出を私はどうも好きになれないし、本作でもなぜ小学生の女の子がそこまで行動できるのか不可思議なのだが、リプリーの娘を守ろうという気持ちがきちんと冒頭に描かれている(完全版にしかないシーンのようだが、57年ぶりに地球との接触ができたリプリーの、別れた当時11歳だった娘がすでに66歳で亡くなっているという喪失感が効果的)ため、前作の猫を救うために決死の行動をしているといった違和感はない。

 本作ではマイケル・ビーンやランス・ヘンリクセンといったキャラが立っている出演者がいることもプラスに働いているし、やはりシガニー・ウィーバーが主役なのが大きい。長身で無骨な表情、色恋は二の次といった雰囲気が確かに本作の空気感を引き締めている。

 とにかく、全編無駄がなく、エイリアンの怖さも存分に感じさせるアクション映画の傑作ではあるものの、さらにもう一歩心に響くものがあるかという点では物足りなさはある。
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