爆裂BOX

ボーンヤードの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ボーンヤード(1991年製作の映画)
4.1
霊能者アリーの元にジャージー警部補から捜査協力の依頼が舞い込んでくる。葬儀屋のチェンが三人の子供を監禁し死体の肉を食わせていたという猟奇事件だ。アリーらは遺品に触れてサイコメトリーをするため検視局に向うが…というストーリー。
巨大プードルゾンビが登場することでマニアの間で有名だった本作が、今までVHSしか出てなかったのがホラー・マニアックス13期でこの度BDになって発売!いやーこれは目出度いですね。実は珍しい米国産のキョンシー映画でもあります。
葬儀屋が子供を監禁して死体の肉を食わせていた猟奇事件の解決の為、捜査協力を依頼された霊能者アリーは渋々サイコメトリーの為検視局に向うも、実は子供達は葬儀屋を従わせ死体の肉を提供させていたキョンシーで、死体のふりをして検視局に来た彼らが暴れだすという展開です。
前半はトラウマに苦しむアリーのドラマ等シリアスなサイコ・サスペンス調で進み、キョンシーが暴れだすのが半分過ぎてくらいと緩慢ではありますが、キョンシーが暴れだしてからは結構緊迫感ある脱出劇が展開されます。自殺して運び込まれてきた若い女の子が解剖台でいきなり生き返ってそのままヒロインになる滅茶苦茶な展開は初見の子供の時も「何だこれ…」とびっくりしましたね。絶対ゾンビの仲間だと思ったのに。
あまりに悲惨な光景見たりマスコミに叩かれてすっかりヤサぐれて世捨て人のようになった太ったおばさん霊能者アリーや旧知の仲のベテラン警部補ジャージー、部下で頼りない新米刑事マリン、自殺して生き返ってなし崩し的に巻き込まれるヒロイン、パンクな見た目の守衛の婆さんに可愛い見た目と裏腹にやたら吠えて噛みついたり追い掛けてくるプードル犬などキャラ立った登場人物多いですね。
登場するキョンシーはドロドロの焼死体か小鬼といった風貌でかなり不気味で気持ち悪い。撃たれて緑がかった粘液流す所も気持ち悪いですね。仲間を増やす方法も自分の肉を食べさせるという一風変わった方法なのも面白いです。頭の皮千切って無理やり口に突っ込んでくるシーンは気持ち悪すぎでした。お食事シーンやゴア描写は無いですね。犠牲者も壁に叩き付けられたり脳天にチョップ喰らって流血して死ぬだけですし。
肉喰わされた守衛の婆さんが変身する巨大化ゾンビはカートゥーン風のディフォルメされた見た目で怖さはないですが楽しいですね。ここから一気にバカ映画としてターボ掛かっていきます。
ラスボスとして登場するプードルゾンビの出番は終盤15分くらいですが、その見た目はしっかり作られててインパクト抜群です。リボンも巨大化してるのはご愛敬。その姿を見たヒロインが思わず笑っちゃう所も妙にリアルです。キルカウントゼロなのは寂しい気もするけど、犬の習性残っててそれで倒されちゃう所は可愛いですね。
ダクト使って脱出する所で主人公だけ体型のせいで挟まったり(このため太めの女優使った?)、二回も爆発に巻き込まれても顔が煤だらけになるだけで無事なのはコントですね。
サバイバルを通してヤサグれていた主人公や自殺した女の子が立ち直ったり、頼りなかった新米刑事が頼りがいのある男に成長するベタな展開も楽しいです。
久しぶりの再見でしたが、前半もたつきますがキョンシーが暴れだしてからは笑いも盛り込みながらスピーディーに展開して一気に最後まで楽しめる良作ですね。