爽

恋の浮島の爽のレビュー・感想・評価

恋の浮島(1982年製作の映画)
2.8
☆☆☆:一見の価値アリ
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長い!この内容で2時間50分は長過ぎる!
もうそろそろいいんじゃないか、終わろうよ、と何度も腕時計を見てしまった。
でも終わってみるとアラ不思議、全く疲れていない。むしろ意識がスッキリしている。
これは紛れもない「デトックス映画」。
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台詞が私的というか、詩そのままであったり、映像も長回し中心だったり、「考えるな感じろ」というテイストで全然頭を使う必要が無い。
いや、宗教的なモチーフは多かったりするから、頑張って解釈しようとすれば脳みそフル回転せなあかんけど、なんせ台詞が「詩」だから理屈で解釈するにも限界がある。
映像に関してはとても綺麗。画角や美術に意匠が凝らされていて、見飽きない。
環境音もとても綺麗で、日本風情に溢れている。
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この「日本風情」こそが本作のミソで、外国人が日本ロケした映画でまともに日本の雰囲気を切り取れている映画なんて滅多にない(ワイスピトーキョードリフト然り、キルビル然り...ジャンルが違うけど)。
そんな中、この映画に写っているのは紛れもない「日本」だし、日本人にとっては郷愁を感じる心地良い時間が流れている。
その点すごく評価できる映画だと思った。
爽