カント

シークレット・パラダイスのカントのレビュー・感想・評価

シークレット・パラダイス(2003年製作の映画)
3.6
画家ポール・ゴーギャンの半生を描いた史劇。

タヒチでの畢竟(ヒッキョウ)の傑作、
「我々はどこからきたのか、
 我々は何者か、
 我々はどこへ行くのか」を制作するに至る、ゴーギャンの画業変遷を“抜粋”して描く。

1891年、仏領タヒチ。
運搬商人チャールズの船で、タヒチに到着したゴーギャン。
開放的なポリネシアの空気。
神父モーリンに住む場所を提供してもらい、現地妻テフラ(13歳)と暮らすゴーギャン。

…その17年前、証券会社で株取引の仕事をしていたゴーギャン。
印象派の巨匠カミーユ・ピサロとの出会いにより画家を志す。
高収入の安定した生活を捨てて、妻メットの反対にも関わらず家族を犠牲にするゴーギャン。

家政婦スザンヌを裸にしてモデルをつとめさせた作品。妻メットは不審を抱くが評論家からは好評価「レンブラントの再来か」と。

ゴーギャンへの好評価は最初だけで、赤貪に耐えきれず爆発する妻メット。
(モネ、セザンヌ、ゴッホとの絡みエピソードは全て割愛…ゴッホのゴの字も出てこない)

タヒチでのゴーギャン。
絵が書けない。絵の中にメッセージを込めたいのに、そのメッセージが見つからない。

神父モーリンは、タヒチの民間信仰の偶像崇拝を敵視。
タヒチの神の像を焼いてしまう。
炎に包まれた像に打ちひしがれる現地妻テフラ。
その出来事に天啓を受けたようにキャンバスに向かうゴーギャン。

本来は過激な人物像が伝えられるゴーギャン。
本作では攻撃性は控えめで、苦悩に満ちたゴーギャン像として描かれている。
先日、ポンタヴァンでのゴーギャンの展覧会を鑑賞したけど、鑑賞前に本作を見たかった。
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