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コックファイターのtokamのレビュー・感想・評価

コックファイター(1974年製作の映画)
4.1
無造作に積み重ねられる鷄の死骸。チキンを頬張りながら闘鶏を観戦する男。執拗に繰り返される殺しの道具である短剣装着の手際。人間本性の残酷さと、結局は暇つぶしに過ぎない人間の人生と生活の虚しさ。それら人間の生のグロテスクさに、ウォーレン・オーツの馬鹿さ加減が追い着き、さらに追い越して行き、やがてグロテスクさを無効化してしまうほどの純粋さの域に達する。その謎。映画の始まりから終わりまで、ずっとこの謎が漂い、極めてシンプルな物語にもかかわらず、一体何が起こっていたのか分からず観終わってしばらく放心してしまう。
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