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犬神の悪霊(たたり)のkakakaのレビュー・感想・評価

犬神の悪霊(たたり)(1977年製作の映画)
4.5
大和田伸也がラッキースケベから、果ては地獄の恐怖を味わう和製オカルトホラー。
エクソシストやオーメン等の悪魔憑きジャンルのフォーマットを犬神信仰という土着的風習に落とし込んで描くセンスが秀逸。
ただのジャンル映画にとどまることなく、背景には産業汚染問題、田舎の閉塞感とそこから来る旧世代的な信仰と差別が生む悲哀が描かれている。
まじない事がまかり通るコミュニティーの中にあって、魔を封じるために糞尿をぶっかけるって最悪。
ドラマがしっかりしているからこそ、バイオレンスシーンやホラーシーンが生きてくる。
映像的にも桜の花をフレームインしてシーンを切り取るなど、画作りも凝っている。
犬神が憑いたマコちゃんが闇夜を駆けるシーンはもはやアートだし、ラストシークエンスのマコちゃんが目を覚ます下りは、古典文学のような美しさを感じる。
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