RyoMiyauchi

ヨコハマメリーのRyoMiyauchiのレビュー・感想・評価

ヨコハマメリー(2005年製作の映画)
3.8
メリーさんが何者かというと、米兵の娼婦をしていた方です。そして50年代に横須賀で出会った米兵に恋をしたが、その米兵は国に帰ってしまいます。いつか帰ってくるのではないかというほんの少しの希望だけ持って60年代に横浜に来て、30年以上もの間ホームレスとなりながらも横浜に居続けました。メリーさんのこの特徴的な白塗りは、横須賀にいる頃はまだ薄化粧だったらしく横浜に来てからマイクが濃くなっていき、白塗りとなったそう。その理由は化粧品を買うお金がなくなってしまったため、舞台用の化粧をしだしたという。
時は経ち1995年、メリーさんが通っていたクリーニング店の奥さんが、メリーさんの故郷に帰りたいという気持ちを叶えるため、切符を買い、メリーさんの故郷である岡山に戻してあげたそう。故郷では薄化粧で暮らしており、2005年に息を引き取った。

メリーさんが横浜で白塗りだった理由は化粧品が買えなかったのではなく本当の理由は、白塗りという仮面を被り、恋をした米兵を待ち続けてたのではないかと思います。そして待ち続けるということを遂げたメリーさんは故郷に戻り、そこでは白塗りではなく本当の姿として過ごした。それは自分自身、そして米兵を許し、残りの人生を仮面を外して過ごしたと感じる。それは決して、諦めたなどという考えではなかったはず。もし横浜にいるときに米兵と再開していれば、白塗りではなかったのではと感じます。

メリーさんこそ、本当の愛ということを体で表現していたと言えるでしょう。