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オープン・ユア・アイズのnagarebosiのレビュー・感想・評価

オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)
4.5
この発想力はスゴい!と感心してしまいました。
オープニングの夢から現実への繋ぎ方、三角関係のロマンスかと思いきや中盤から自分とは何者か、悪夢なのか現実なのか境目がハッキリしないなかでアイデンティティを探っていく展開、やはり現実だったかと思わせての急転直下の展開は、そりゃリメイクしたくなりますよ。純粋で真実の愛を心のどこかで求めながらも自分の中の闇や疑心暗鬼といった不安に襲われる感情は、おそらく誰しもが持っているものだと思います。少なくとも私は共感しました。
派手な演出はなく、どちらかといえば、ロマンスと人間ドラマに焦点を当てた作りですが、だからこそ時折感じさせる不安や恐怖が一層際立ってました。
マスクを被ることで二面性、というか虚構と現実を比喩的に使い、この主人公の内面の葛藤を分りやすく描いたのも上手い。
現実と悪夢との境目の編集も上手く、音楽も叙情的な曲調なのでこの作品にマッチしてました。
「バニラ・スカイ」も悪くはないけど、やはりオリジナルのほうが格段に上かな。