猫脳髄

グーリーズの猫脳髄のレビュー・感想・評価

グーリーズ(1985年製作の映画)
3.1
チャールズ・バンド一味のエンパイア・ピクチャーズ謹製オカルト・コメディ。GhoulieとはGhoulやらDemonやらのシノニムらしく、まあそういう有象無象の悪タレである。前年のジョー・ダンテ「グレムリン」の大ヒットに乗っかる意図が丸出しであるが、ちょっとわかってないのが、肝心のグーリーズどもの活躍が中心に据えられているわけではなく、あくまで主人公らのオカルト対決が基調になってしまったところだ。

会ったこともない父親から相続した館で、残された魔術書やらにハマってしまった主人公。実は死んだ父親はカルト教団のリーダーで、主人公は知らずして悪に魅入られ、魔術を駆使して小型の使い魔たち(グーリーズ)を召喚してしまい…という筋書き。

「グレムリン」がモグワイやらグレムリンやらの姿をきっちり全身で捉え、モンスターこそ主人公というスタンス(※)を取ったのに対し、本作はやはり資金不足なのか多様にデザインされたグーリーズは全身が見えず、その場でワチャワチャやっている安普請が見えみえだ(バンドはこんなのばっかり!)。ゆえに主人公たり得ず、中途半端な登場のさせ方しかできなかったのだろう。

河童もどきの水棲グーリーズ(メインヴィジュアルで便器から登場しているアイツ。しかしオベベは着ていない)らが振舞うさまはなかなかキモカワイイのに、製作側の実力不足が目立つ。メインシナリオもやっつけ感が漂い、あまり語るべき事がない。しかしこれでもヒットしたらしくシリーズ化しているので、当時の需要たるや、というところ。

ひとつユニークだった点に言及すると、登場人物の死体が復活するシーンで、起立させるわけではなく、そのまま尺取虫のように這わせたのは割とエポックメイキングなのではないか。そこだけは感心した。

※モンスターファーストはユニヴァーサル以来の鉄則である
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