荊冠

バスケット・ケース3の荊冠のレビュー・感想・評価

バスケット・ケース3(1992年製作の映画)
1.0
完全な蛇足。
フリークスの怨恨と歪んだ兄弟愛の切なさが滲む1、2作目に対して、本作にはそんなセンチメンタリズムなど微塵も存在しない。
ただバスケットケースの登場人物を流用してやりたい放題やっただけの荒唐無稽なスプラッタコメディであり、正直3作目を名乗って欲しくない。スピンオフとして欲しかった。
もはや兄ベリアルも弟ドウェインも端役であり、マヌケなフリークスたちの乱癡気と、彼らを率いるオバチャンの暴走に終始している。
彼らがテレビ番組を乗っ取って人間たちに逆襲を宣言するラストにはため息しか出なかった。そんな大義名分をかざしてデカい戦争をすることができない存在だったからこそ、「バスケットケース」に隠れ続けなければならなかった哀愁が、バスケットケースというタイトルが成立していたのだ。
ベリアルとドウェインへの切ない共感を100%興ざめにしてくれる、色んな意味で笑うことしか出来ない自滅作である。
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