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J=P・ベルモンドの エースの中のエースのHALのレビュー・感想・評価

4.6
最初はベルリンオリンピックを舞台にしてるコメディと聞いて興味を持ったのだけど、そこにあるのはヒトラーも戦争も笑い飛ばしてしまえ、そして自分を見失うな!という力強いメッセージ。一言で言えば夢とロマン。

自分は『勝手にしやがれ』と『気狂いピエロ』しか観てなかったベルモンド初心者だったので、今回の特集上映で「ルパン三世」「コブラ」のモデルというベルモンドの色気を堪能した。だが、元ボクサーで一次大戦のエースパイロットというベルモンドという役者像を象徴するかのような設定とは裏腹に、実は面倒くさがりだったり女にだらしない感じも強かったりして、でも子どもと正義のために渋々ながらも大活躍するという本当にカッコいい中年ヒーロー像を体現しているようだった。今みるべき、というか戦争とスポーツとヒーローにまつわる、永遠の映画かもしれない。

ちなみに一番ハラハラしたのはリアル仔熊を乗せたカーチェイス。熊のベートーベンとか可愛い名前ついてるけどすごい爪でベルモントの頭に乗っかったりして気が気じゃなかった。しかもカーチェイスの間も自由すぎてオープンカーの上(というかベルモントの上)を歩き回ってるし。
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