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愛されちゃって、マフィアのpamphmanのレビュー・感想・評価

愛されちゃって、マフィア(1988年製作の映画)
5.0
「最初に僕が恋をしたのは音楽。映画は2番目の恋だった」これキャメロン・クロウの発言であっても違和感はないが、ジョナサン・デミによるもの。これを聞いて、デミ作品が好きな理由がわかった気がする。何故なら自分も音楽と映画が好きだから、という単純なものだが。どちらが先か忘れたけど、子供の時から音楽を聴き、映画も観てきた。周りにもそういう人は少なくはない。映画オタクの生態を捉えたドキュメンタリー『シネマニア』(2003)には映画のサントラを収集しているものの一度も聞いたことがないという狂人が登場していたけど。
音楽と映画の溝というのも時には深くて、その曲を知らない人にとっては「カッコよかった」「なんかいい歌だったね」くらいの感想に留まったとしても、知っている人には全く別の意味に聞こえたりもする。でも、デミ映画での音楽の使われ方は意味に直結してなかったりで、そういう分断を生まないのかもしれない。「STOP MAKING SENSE」(意味づけをやめよ)じゃないけれどとか…適当に書いていますが。
80年代に蘇ったスクリューボール・コメディ、先の見えない未亡人を描いた女性映画。主演のミシェル・ファイファーは『サムシング・ワイルド』への出演を希望していたが、そちらはメラニー・グリフィスに決まっていたので、こちらで念願のデミ作品への出演。この後、『羊たちの沈黙』のオファーを受けるが、内容で断ることに。劇中で彼女が引っ越す間取りが変わった集合住宅は『チャイルド・プレイ』のロケにも使われた場所。
FBIの青年捜査官を演じたマシュー・モディーンはどこか疲れ気味で物憂げに見えるけど、キューブリック『フルメタル・ジャケット』の現場を経験した後からだそう。お疲れ様でした。実はこの役トム・クルーズも予定されていたが、彼は『カクテル』に。もし出演していたらトム映画になってそうだ。ルッソ夫妻、トニーとコニー。この二人なしでは 成り立ってない。ディーン・ストックウェルは今年の11月に亡くなっていたと知る。エンドロールは懐メロのつるべ打ちに使われなかったシーンが流れるので最後まで席を立てない。
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