このレビューはネタバレを含みます
70点
恐怖のメロディに続いて、イーストウッドは何故これを撮ろうと思ったのか、不思議であった。
「さらば冬のカモメ」「ペーパームーン」「追憶」という素晴らしいアメリカンニューシネマを拡げた作品が横に並んでいる中で、イーストウッドは我が道を進んでいた。
これはこれで普通に面白いし、
自身が出演しないからなのか、すごく余裕があるように感じた。
みんなが望むものではなく、自身が撮りたいもの、寄り道したいものに正直だなあ。
かと思ったら、これで外れると赤字を取り戻すかのように、みんなが見たいダーティハリーシリーズに移行する。
さすが、経営者だと思った。
そして、間違いなく当たるだろう、
という作品には助監督を監督にさせてあげるきっかけも作ってあげる。
彼と一緒にやっていって、マイケルチミノとか、
彼といざこざがあったとしても、彼から飛び立って大物になる人もいる。
イーストウッドは自分が曲げられないけど、それでこそ、普通の人には与えられないキッカケを作れていく。
話が逸れたけど、この作品はウィリアムホールデンが、とてもカッコ良い。
彼の作品は、「サンセット大通り」と「戦場にかける橋」「ネットワーク」を見た。
50代の余裕のある男を演じられるほどのダンディさがより増していた。
そして、オーディションで今回女優となった
ヒッピーの小汚い少女役が、とてもハマっていた。
彼女はこの作品をきっかけに女優デビューするものの、その後はあまり活躍しない。
彼女と見つけた犬を連れて「一年くらいなら一緒にいれる」とお迎えに来たシーンが感動してしまった。
一年も!?やったーというのが、彼女のポジティブさを感じた。
なにか、内容もキャストも寂しさを感じてしまう作品だった。