MikiMickle

ダーク・ハーフのMikiMickleのレビュー・感想・評価

ダーク・ハーフ(1993年製作の映画)
3.5
1968年。幼少期のサッドは小説の執筆に明け暮れる少年だった。が、突如としておこる酷い頭痛。脳手術で医師らがみたものは……

それから23年。
サッドは、あまり売れない純文学作家として大学で教授をするかたわら、ジョージ・スタークという仮のペンネームのもと、その彼を主人公とするバイオレンスな娯楽小説を書いていた。

悪者が主人公であるジョージ・スタークの小説は人気をはくし、サッドと編集者の妻、双子の息子を養う事ができていた。

が、ある時、サッドの授業に現れた一人の男。彼は、サッドとジョージが同一人物だと見抜き、金銭を揺すってくる…
悩んだサッドは、自らがジョージ・スタークだと公表する事を決め、あれやこれやのうちに、スタークを封印する事になる。
が、その直後、サッドのまわりで不可解な殺 人事件が多発し…

というミステリー。

スティーブン・キングの小説を、彼と深い親交のあるゾンビ映画界の巨匠ジョージ・A・ロメロが監督・脚本・製作総指揮で作ったもの。1993年の作品です。

原作は未読のため、比較できません。
さて、犯人はいったい誰なのかというのは、すぐに出てきます。 なんと、存在しないはずのジョージ・スタークなのです。

サッドが作り上げた人物が実存するのか… というかサッドの裏の顔が何故に殺 人を犯 したのか… 果たしてサッドが犯人なのか… 彼は二重人格なのか… もしくはスタークを誰かが装っているのか…… 

殺人犯として警察にマークされながら、サッドは真相に迫っていきます。が、家族の命の危険が迫り…

というものです。

まず、サッドとスタークの二人。全くの別人にしか見えず、これを演じわけたティモシー・ハットンが素晴らしい‼‼一人二役していると言われなければ全くわからないと思います‼‼
その演技も鬼気迫るものがあります‼
また、警官役のマイケル・ルーカーも、渋くて良い味が出てました♪

また、やはりホラー監督とホラー小説家のタッグということもあり、サスペンスであるけれどもホラー要素があります。全体的にかもしだされる不穏な雰囲気もなかなか良いですし、
特出しているのはその特殊メイク‼ 貫通した手の穴、段々と朽ち果てていく顔、冒頭の脳にあったある腫瘍の描写など… それぞれにきちんと恐ろしさを表現しており、今の映画ほどの派手さはないものの、面白味がとてもとてもあります‼‼素晴らしい♪

ストーリーについては、サスペンスなのでネタバレ故に言及しません。が、考えるのは、小説家や物書き、映画監督でもなんでも、いや、誰にでも、多かれ少なかれ、自分と違う人物になりたいと思う願望はあるのだという事。あなたの二面性はなんでしょうか…

また、飛び交うスズメや鉛筆などのモチーフの描き方も良く、怪奇感を醸し出しています。ジャーロ感もあり、スタークはアメコミのダークヒーロー感もあり、楽しめました♪

ゾンビラヴァー・ロメロ信者の私としては、敬愛するロメロ監督の映画が見れただけでも嬉しい♡
MikiMickle

MikiMickle