爆裂BOX

殺人狂 THE GUNS & KILLERSの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

殺人狂 THE GUNS & KILLERS(1996年製作の映画)
4.1
両親殺害容疑で死刑判決を受けたジェームズ兄弟は脱獄し、殺戮を繰り返しながら逃走。平和そうなライアン家に逃げ込み、一家を人質に立てこもるが…というストーリー。
「ラバランチュラ」や「ドルフ・ラングレン ゾンビ・ハンター」のマイク・メンデス監督のデビュー作であるバイオレンスホラーです。
前半はライアン家に逃げ込んだオデッサとカイルのジェームズ兄弟が、ライアン家を人質に乱暴狼藉を繰り広げる、というホームインベージョン物の趣もあるクライムバイオレンスといった感じで進みますが、奥さんのレイはすぐオデッサといい感じになったり、長女のジェイミーはカイルを誘ってエッチしたり、12歳の次女ジェニーはオデッサにサインねだったりと割とノリノリで仲良くなっていきます(笑)この時点で「妙な家族だな…?」と思いましたが。一方で父親のチャールズは白塗りで縛られてダーツ盤首から下げてダーツの的にされたり、レイとオデッサのエッチ見たりと散々な扱い。
武装警官隊が家に突入するも、何とライアン一家が襲い掛かって来て、平和そうに見えた家族が父親は数々の勲章貰った戦闘のプロ、母親は様々な悪事こなしてきた悪女、長女もマシンガンぶっ放すし次女はゲーム感覚で兄弟に武器を渡すというジェームズ兄弟よりもイカレタ殺人狂一家であることが明らかになります。この前半と後半でガラリと展開変わる構成はロバート・ロドリゲスの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の影響大ですね。自作の「ザ・コンヴェント」でもその影響感じさせますし。こちらでは家の地下に地下迷宮があってゾンビみたいな食人鬼たちを飼っているというぶっ飛び具合。オデッサと前半で兄弟を追っていた女保安官が共闘したり、カイルがオカマの化け物ボブに襲われそうになる展開も面白い(ボブそんな悪い奴に見えなかったからアッサリ殺されたのはちょっと可哀想)
一家が食卓を囲んで新聞読みながら日常的な会話しながら(でも食卓には女の手首盛ってたり)入ってきた警官撃ち殺すシーンの狂った感じ好きですね。その前のジェームズ兄弟のフィギュア発売のCMのバカっぽさも良き。
スカルメイク施して武装したジェームズ兄弟VSライアン一家VS警官隊の三つ巴の大銃撃戦もスタイリッシュで派手でアクション的に見応え抜群です。カット割りもカッコ良すぎ。特にオデッサとチャールズの顔交互に映す所は緊張感も高めてくれて最高でした。ポンポン持ってマシンガン撃ちまくるジェイミーがカイルに放つ「あんたのポコチンが入って私が気付いたのはどれくらい後かわかる?パパのはおっきいのよ」という情け容赦ないセリフも良き。敵なら女子供にも容赦ない所も良いですね。
衝撃のバッドエンドもラストの「クソ」からエンドロールに入る間が絶妙で強く印象に残りました。日本版VHSはラストが差し替えられてるみたいですが、元のラストがどんなものか気になります。
前半はグダグダした所もありますが、後半からのぶっ飛んだ展開と銃撃戦、音楽やカット割りもクールでかっこいい傑作で日本ではVHS止まりなのが惜しまれますね。何とかDVD化してくれないものか…(そして両方のラストも収録してくれないものか)