やべべっち

TOMORROW パーマネントライフを探してのやべべっちのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

子供が産まれた事を機に地球や人類の未来に興味を持ち始めたフランスのセレブ、女優、映画監督であるメラニー・ロランのドキュメンタリー。

2016年作なので古い情報もあるが未来を考える上で貴重な映画のように思えた。坂本龍一さんも子供が生まれると未来への想像力が大きく広がると仰られていたけどやっぱり世界のセレブはスケールが違うな。そしてドキュメンタリーにありがちな情報だけ伝える映画とは違い音楽や映像化の撮り方もお洒落。メラニーロラン大好きだな。

この映画は食糧危機や環境問題だけでなく「農業」「エネルギー」「経済」「民主主義」「教育」と分けて有り様を語ってくれている。2006年に英語南部トットネスから全世界に広がったトランジッション運動がベースになっている。いかに持続可能な社会を創り上げるのか。

「農業」
デトロイトは1960年代工業街から農業都市に転身した。従来の工業型農業はコストが上がりエコでもない。管理者は何もしない。医療費が上がる。小規模農業の可能性。持続可能な農業→アグリカルチャー、パーマネントカルチャー。
※ヴァンダナ・シヴァ(環境活動家)

「エネルギー」
人間が使っているエネルギーは殆ど移動と冷暖房。
自給自足している国→デンマーク、アイスランド、レユニオン島
※ピエール・ラビー(アグロエコロジスト)

「経済」
小さい経済圏が未来への道。お金を造るのは誰。お金を沢山刷ることで格差が広がる。
※リエター→お金も多様性が必要だ

「民主主義」
中心と末端。中心に行けば行く程しがらみで動けなくなる。末端が自由に動けるのが必要。

「教育」
フィンランド→教師になる前にモンテッソーリ教育、シュタイナー教育を受けている。

「Small is beatiful」というシュタイナーの言葉を思い出す。ネット社会、グローバル化によって世界は一つの文化を形成しつつある。肥大化し過ぎた社会は中心と末端が離れ過ぎていて様々な問題を引き起こしている。
循環型コミュニティに目を向けて大きな流れに自分の心を左右させない生き方の方がサスティナブルなのかもしれない。もう1度見返したい良作品。