勝新太郎

イノセンスの勝新太郎のレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
4.0
映像とか雰囲気とか好きだったけど、セリフのテンポ早かったり難しかったり引用連発したりで1回観ただけでは理解しきれなかった。


思い返してみての感想だが、
シリーズの中でゴーストが人間たらしめるみたいな事言ってたりするけど、自分の言葉を話すのが人間としての大事な部分のような気がする。
この映画の中で引用を連発し、自分の言葉で話さなくなっている時点で既に人間ではなく、曖昧な存在になっている気がする。

登場人物達も薄々その事を感じていて、機械達との違いはなくなっていることを否定するため、ゴーストという存在が確認できないものにすがるのかもしれないと思った。

「ひとは概ね自分で思うほどには幸福でも不幸でもない。」
という引用があったが、まさにこれなのではと思った。
人間であることを幸福、機械になってしまうことを不幸と心の奥で思っているのがセリフの端々から伝わってくるが、そのどちらでもない。
勝新太郎

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