スタンダード

トイ・ソルジャー’96のスタンダードのレビュー・感想・評価

トイ・ソルジャー’96(1995年製作の映画)
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【T4感想:ビニール傘の投機】


JUPA(日本洋傘振興協議会)
の調べによると、
年間の洋傘消費量は
『推計で1億2~3千万本程度』
になるらしい。


『令和XX年』
ビニール傘の使い捨て
は深刻な問題となっていた。


傘の消費量を減らすべく、
『シェア・アンブレラ』
サービスの事業に注目が集まる。


さらには子ども達へ
『ビニール傘の工作法を伝授』
する活動も始まった。


自作した傘への
愛着を持たせることで、
傘の投機本数を減らす
ことが目的である。


しかし
ビニール傘に自我が芽生え、
人類へ反旗を翻した。


【陶器人形の投機】


映画『横道世之介』
の祥子ちゃんのように、
逞しく成長したボーちゃん。


玩具は飼われるだけではない。
変われるのだと教えてくれます。


『雇われるだけが道ではない』
そう教わった気がします。


【ピクサー社の決意】


『カーズ3』の結末もそうですが、
これが『トイ・ストーリー』
としての決意ではなく、
『ピクサー全体』としての決意ならば、
『一貫性のある結末』だと思います。


愛着がある人ほど、
受け入れ難い結末かもしれません。
中には裏切りだと感じる人も。


ウッディはボニーに愛されなかった。
我々もウッディに愛されなかった。


愛されようとして努力しても、
想い人に愛される保証はない。


でも、その『努力の証』は、
『他の誰か』
に愛してもらえるかもしれない。


【オープンワールド】


第一作目は、
今思えば『張りぼて』
のような風景でした。


セットの中で撮影
しているかのような、
『トゥルーマン・ショー』
の世界みたいな閉塞感です。


しかし技術の進歩により、
CG世界にも奥行ができました。
とても美しい景色です。


これだけ広大な世界があるのに、
おもちゃ箱の中にいるのは勿体ない。


『メリーポピンズ』のように
ビニール傘を差して、
『無限の彼方へさあ行くぞ』