猫脳髄

ブラッドヘルの猫脳髄のレビュー・感想・評価

ブラッドヘル(1976年製作の映画)
2.4
Filmarksはアメリカ製作としているが、イギリス製作の誤りである。アンディ・ウォーホル絡みのホラー2作品に出演後のウド・キアを主役に据え、謎めいた秘書にリンダ・ヘイドン、キアの恋人として、当時のセクシーアイコン、フィオナ・リッチモンドをあてたエロティック・スリラー。

イギリスの田園地帯の館で執筆活動に打ち込む新進気鋭の作家ウド・キアが、タイピストとして雇った謎めいた秘書リンダ・ヘイドンに翻弄され、次第に殺人現場の幻影を見始めるようになり…という筋書き。

検閲が厳しいイギリスではとても珍しいが、残酷モノのロマンポルノかなと思うくらい濡れ場が多い。また、ゴア表現も従来のイギリス的な「ショック」表現からは踏み込んだ作品となっている。案の定、初公開時には大幅カットと成人指定がついたようだ。

ただ、濡れ場を強調してシナリオはなおざりになっており、想定内のサスペンスで一向に盛り上がらない。殺害シーンでスタッフが映り込んでいるのも興を削ぐ。聞けばキアは吹き替えになってしまい、ギャラも踏み倒されたそうで、ヘイドンも出演を後悔したという。クライマックスで「サイコ」(1960)のシャワーシーンを引用したのはさすがにコスり過ぎ。そういうダサさがうら寂しい。
猫脳髄

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