カムパネルラ

終の信託のカムパネルラのレビュー・感想・評価

終の信託(2012年製作の映画)
2.4
周防正行も、ファミリー仕事しててこの惨状しか捻出できないならば廃業するしかないだろう。
草刈民代がまったく芝居ができないので、検事との対峙シーンも映画的達成に届かないという結果。なぜこれでこの役に起用しようとしたのか。

またこのように白黒分けられない倫理的課題にかんして、検事と医師とのステレオタイプの対立構造を捏造し、安い情緒的主張と高圧的な原理的正義論を安易に衝突させてみせるのは、問題の核心に切り込む深さを欠いてしまうことにつながる。
そもそも問題をねばり強く考察しようという気配は、この演出、スクリプトからでは感じられない。
これは端的に監督の力量不足である。