終の信託の作品情報・感想・評価

「終の信託」に投稿された感想・評価

snowgold

snowgoldの感想・評価

4.0
人は、産まれてくる時も最期の時も選ぶことは出来ない。死を自ら選択したものは自殺とされ、たいてい道徳から外れた扱いとなる。また最期の時を人に託せば殺人と扱われてしまうことになる。法に人情などというものが組み込まれてしまうと機能することが難しくなるのは当然だろうが、何を基準に命の重さを測るのだろうか?
医学の進歩により平均寿命は、年々伸びている。ただ伸ばすことだけを目的として医学が進歩しているとは思わないが、ひとつの命を救うときそれと同じ重さをもってその命をとりまく家族も救われているだろうか?
延命とは、ただ生きていることでは無いとどれだけの人が認識しているのだろうか、考えさせられる。
gatty

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4.2
安楽死、尊厳死について考える機会になった。医師が感じるジレンマが伝わってきた。自分や家族がこのような立場になった時にどうするか、正直答えが出てこない。難しいテーマだと思う。
役所広司の語り口調に自然と感情移入できた。ラストの草刈民代と大沢たかおとの問答は問題提起にもなっていた。
pongo007

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4.0
 周防正行監督の作品はみんな好きですが、これは終末医療を題材にした非常に重苦しい映画で、暗い気分になります。人間の生死、延命治療、患者と医者の信頼関係のあり方など、いろいろなことを考えさせられる良作です。ただ、やはりテーマが重すぎる。
まるで小説を読んでいるような、美しい言葉の連なり。小津安二郎を彷彿とさせる。決して賢い女とは言えないが、不完全さに人間味を見出すことは人間の性だろう。草刈民代の演技に引っ掛かりを感じるのも、すなわちそれは隙とかエロスに繋がることがよくわかる。あれを上手過ぎる役者がやれば、後半の検事との対話で説得力があり過ぎてただの人権派映画になってしまう。周防正行は恐らく、この感情と倫理の均衡を張り詰めさせ、私たちにより深く考えさせたかったのだろう。
話は変わるが、実の妻の濡れ場を撮る、というのは実に前衛的だ。自身の妻を一人の役者として評価し、尊重していることが伺える。男尊女卑だの、セクハラだのと言葉では簡単に議論できる世の中であるが、本当の男女平等の形を周防正行に突き付けられた気がした。
評価低いけど、何でやろか?
深いテーマで見応えある映画だったけどなぁ〜
TomomiAbe

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3.7
苦しんでいる患者さんの気持ちや心の内を、感じとってしまった女医さん。患者の秦三と出会い、女医の綾乃は重度の喘息発作を助け診察をしているうちに心を通わせ、秦三から、チューブで繋がれて命を延ばすより、先生に任せるからと。
意識がなく脳死ではないが、意識を戻す可能性が低く、床擦れがおきたり、家族の負担が続いていく状況をどうしたら良いのか、投げかけられている気がします。
sakurako

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3.4
作品はいいのに、配役が合わない。
自分で読解して、演じたからこそ思うこと。
奥さんに意思伝えとけば済む話とは思うけど、色々考えさせられた
YUKARI

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3.5
父が入院するときに、延命治療しますか、心臓マッサージしますか、考えて家族で話合っておいて下さい、とお医者さんに言われたのを思い出しました。(幸い父は元気になって退院しました。)いろいろ、もめるからだろう、と思います。この映画は、始め、暗いなー、と思っていましたが、だんだんと感動しました。妻への思いやりが、医者の先生に迷惑をかけることになってしまいました。文面に残し、サインしてもらっていたら、と思います。
「信託」(trust)
信頼して委託すること。他人をして、一定の目的に従い財産の管理・処分をさせるため、その者に財産権を移すこと(広辞苑)

ついつい金融を連想してしまうこの言葉のチョイスはさておき。
川崎協同病院事件を題材にして、感情と倫理とのぶつかり合いが描かれている。現実問題に対しては倫理がいつも遅れて入ってくる。だから感情的なズレが生じる。行き過ぎた考えや偏った見方を感じはするものの、主張は間違っていないと思う。
冷徹な社会の代表者として登場した塚原検事の存在によって、周防監督のこの事件に対する思いがひしひしと伝わってきた。大沢たかおさんの好演によって見事にこの構図がくっきりと明確なものになっていたと思う。また、対局に位置する折井医師を演じた草刈民代さんは理想とする正義に加えて、女性ならではのニュアンスで人を思いやる気持ちを見せつけていた。
音楽を使わずに論戦を繰り広げた演出が良かったし、なおさらエンディング曲の種ともこさんの声が心に響いて入ってきた。
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