Gonbe

わが谷は緑なりきのGonbeのレビュー・感想・評価

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)
4.5
以前も観たことがあるけれど、また観たいと思える映画でした。
どこか日本の田舎にも通じるような古き良き昔を感じられて幸せな気持ちになる始まり。

始まりの、貧しいけど勤勉で家族の絆が強いモーガン一家の暮らしぶりに心が寄り添って、この一家が大好きになった。
こんなに楽しく誠実で仲のいい家族ならいいことばかりが起こるだろうと観ているのだけど、そんなわけはないよね…

この頃はまだ個人の尊厳も労働者の権利も守られていない時代だったんだな。なんの保証もない暮らしはなんて不安なんだろう。
家族の絆だけじゃ生活なんてできないし、観ていて色々つらくなる。
それにいつの時代も嫌な噂はあっという間に広がって、誹謗中傷される。それでも、まだ聞く耳を持っているのは、同じ釜の飯を食べてきた仲間意識があるからかな。

グリュフィード牧師にはどんなに未来が辛くても本当の気持ちを貫いて欲しかった。アンハードも。このことだけが個人的に納得できない。

ヒューの卒業後の選択も家族の背中を見て育って誇りを持ってるからこそだな。親の希望とは違くても、それを尊重する父親の心中を思うとなんともいえない気持ちになった。

こんな一家で育ったら情が厚い心の強い大人に育つだろうなと家族の在り方について考えさせられた。
原作を読んでみたくなった。

NHK BS録画鑑賞
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