Gierck

わが谷は緑なりきのGierckのレビュー・感想・評価

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)
4.8
ジョン・フォード監督、アーサー・C・ミラー監督。
語りと共に始まる前半部分は、小気味の良いリズムの陽光と白いエプロンの女性たちの明るさが印象的だが、炭鉱との確執に合わせて、炭鉱で黒く汚れた暗さを強調した画面へといっきにトーンダウンしていく。
同じ炭鉱の工員たちの行列であっても、行進ようなショットから、亡霊が彷徨っているようなショットへと、明から暗へと変貌していくショットが素晴らしい。
家族全員が揃った一家団欒のショットが、現在の寂しさを表すように映画の最後に差し込まれるのは、その後の「ゴッドファーザー」へと受け継がれているが、それが執拗に繰り返されるのでなく、短いショットがさり気なく差し込まれるところに、ジョン・フォードのセンスが感じられる。
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