野良猫と、福祉に従事する柏木夫婦と、肺癌を患う91歳の橋本さん
3つが絡み合うことで浮かび上がるテーマ「Peace」、平和と共存。
橋本さんの様子が個人的にかなり響くものがあった。ついあの年代の人を見ると自分の祖母に重ねてしまう。
かつて戦争で一銭五厘の価値と言われてきたエピソードと、91歳になってひとりで生き続けている現在。「みんなに迷惑をかけているから早く往生しないと」と何度も語る様子には涙が出た。
ただ写しているだけ(に見える)なのに、こんなにも面白いのが想田さんの凄いところ。
彼の映画は観察映画と呼ばれるけど、「見させられている」というより「つい気になって見てしまう」ような感覚になる。無性に好奇心がくすぐられるというかなんというか...
情報のコントロールがとにかく巧み。
この映画から得られる発見は、実は随所に張られた伏線カットがないと成り立たなかったりする。