Peaceの作品情報・感想・評価

「Peace」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

面白いのと同時に、すっごい疲れた。
見始めは、ネコかわいいなあ、でも平和と関係するのかなあ、と思っていたけれど、橋下さんの戦争経験談とラストのネコ展開で、ほおほお、とうなずく。共存する、という視点からの平和なのだけれど、まあ、いろいろあるよなあ、と思ったり。
戦争の時代は国単位で物事が動く世界で、個人の感情は尊重されにくい時代だったかもしれないけれど、現代はマクロというよりミクロな世界になって、「個人の世界」が隣り合う社会が生まれていく。その中での平和って何か?とすれば、ミクロでミニマムな個人がどれだけ良きものになるか、ってなるのかもしれない、と。
社会福祉が大きな材料にもなっているけど、共存という意味では、福祉ってなんだろうなあ、と考えてしまう。制度が整ってないという話が出てくるけど、福祉って制度を整えたり、システム化が完璧になっても、それだけでは補いきれないものがあって、それは寄り添うこと、それこそ共存であって、それは人間は根本的にシステム化できないからなんだろうけども。個人の世界がありながら、いかに隣り合えるか、が共存からみた平和であり幸福、みたいな。その、幸福という、言語化しきれない価値観を生み出しているのはきっとそこにあって、だから柏木夫妻はこの仕事をし続けるんだろうな、という感じ。
うむむ…、言葉がごちゃついている。観察映画って能動的に観なきゃいけないから、こうなってしまう…
Chichang

Chichangの感想・評価

3.5
物語の中心人物である柏木夫婦が想田監督の奥さんのご両親という事もあって、身内の柔らかい雰囲気が映画を包んでいる。社会保険制度の問題を話している側から、鳩山候補の国会演説が流れる偶然性とそれを全く気に留めないお母さんの描写は、理想の社会と現実世界の乖離を表してるのかもしれない。
Peaceね。

健康とその人の幸せ。

理想を語る演説と実際の現場が交わることのないシーン。

印象的でした。
良い 現実に正面から向き合って虚心坦懐に観察する姿勢が、真に「小説よりも奇」なる現実の姿を明らかにするのだなぁ
ree

reeの感想・評価

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鳩山由紀夫の演説と社会保障制度の現実が同時に描かれた奇跡の瞬間に驚いた
初の「観察映画」を鑑賞。ナレーションや音楽を一切排除して、観客を誘導するのではなく、追体験をしてもらう手法を取るらしい…『Peace』は撮影して行く中で起こるミラクルが特に多かったんじゃないかな…猫同士の関係の変化とかさ…ラジオとかさ…岡山の方言が気持ちがよかったね…
無影

無影の感想・評価

3.8
高齢者や障がい者など社会的弱者が社会から孤立してしまっているのと対照的に、猫たちは時を経ることで融和し合っていく。何の筋書きもなければメッセージもない、ただ単に在る事実を淡々と写しているだけの本作が心に迫ってくるのは、監督が社会の側面を巧い具合にシフトさせながら切り取っているからでしょうか。
Rei

Reiの感想・評価

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ナレーション、テロップ、音楽を使用しない、ドキュメンタリー映画監督相田和弘さんの「観察映画」と呼ばれる作品群のなかの第三作目であり、75分という尺の短編作品。
物語の中心人物である柏木夫婦はなんと相田監督の妻の両親であるという異色作。この作品が出来た経緯について、相田監督は「お父さん(柏木寿男)が猫に対してえさをやっている場面を見たときにその光景が魅力的すぎて思わずカメラを回した。すると数多くの猫の中で一匹だけ群れない猫を見つけた。そこから映画になるのではという考えが浮かんだ。」ということを語っている。つまりこの作品は意図して作られた作品ではなく「偶然」出来上がった作品なのである。この「偶然」というキーワードはこの映画を素晴らしい作品にした大きな要因、そして相田監督の作品がもつ奇跡的な力ということが出来る。
その奇跡的な偶然を象徴する場面は大きく二つある。まず一つは末期がん患者である90歳の男性、橋下さんがいままで一度も明かしたことのなかった自身の戦争体験を打ち明ける場面である。末期がんであることを自覚している橋下さんは「早く迎えがこないだろうか」といったような自身の死を望むような発言を作中何度も繰り返す。そんな人が話し始めた生きたくても生きることの出来なかった、かつての自身の友人たちの話。それを語る橋下さんのなんともいえない表情。とても偶然起きたとは思えない映画的なシーンである。
そして二つ目、橋下さんの家から帰る車の中で、自身の職業である福祉の仕事の経済的な厳しさを語る場面で、当時の鳩山首相の福祉事業の拡充を目指しているといった内容の演説が流れるという強烈なアイロニーに満ちたシーンである。この場面は逆に作為的に生み出そうとしても生まれないようなシーンだと感じた。
相田監督の作品は「ありのまま」を映すことに徹底しており、そのためにかなり多くのこだわりを持って撮影している。詳しくは相田監督の「観察映画の十戒」というものがネット上にあるので、それを確認してほしい。
「ありのまま」を映すことによって生まれる、偶然のほんの小さな奇跡は意図して作られた大きな奇跡よりも輝くことがあるということを強く感じさせられた。
作品のタイトル「Peace」は平和という意味もあれば安らぎという意味もある。この作品に流れる独特の温かみに私は「Peace」を感じた。
inoue

inoueの感想・評価

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2018.04.14
猫から始まったこの映画。リサーチなし、台本なし、コンセプトなしでこんな映画が撮れるんだ
最後の車内ラジオのシーンは最高に皮肉が効いてた。本当に偶然なのか
本作や「精神」、「港町」、未見だけど「牡蠣工場」に登場する人たちと同じく岡山出身の千鳥を見ててもいつも思うけど、方言ってのは人と人との垣根を易々と低くするよなあと思って。方言話者が羨ましい。